市田柿（干し柿）ができるまで

見てください！この綺麗な柿。畑にはこんな柿がたくさん実をつけています。ポコポコとたくさんぶら下がっています。
この固そうな柿が柔らくて、甘～いしわしわの市田柿になるんです。
このまま食べてもおいしそうですが、渋柿って言うくらいですからたぶん…すごい苦いと思います。

11月の初旬頃に柿を収穫します。
腰にぶら下げている籠に手でもぎとった柿を入れて行きます。
脚立から落ちてしまう事故もあるので気をつけながら行います。
重たい柿を運んだりするのも一苦労です。

収穫されたたくさんの柿は、天竜産業へと運び込まれます。そこでいよいよ干し柿になる作業工程の始まりです！

天竜産業へ運び込まれた柿は大きさを選別するための特別なベルトコンベアに乗せられます。

柿の皮をむく作業が行われている様子です。
柿は人間が手で機械に差し込み、あとはクルクル～っと機械が回って皮がむかれます。一瞬で剥けるので目を見張っていてもしっかりと見ることができないほど早いです。

皮を剥いた柿を室内に干します。これがよく言われる「柿すだれ」というものです。柿の乾燥は、室内に干すものと、乾燥機に入れ干すものがあります。
1ヶ月ほどかけ干しあがっていきます。

干しあがった柿のヘタを一つひとつ手作業で切り落としていきます。パチン、パチンと沢山の柿のヘタを切る作業が進んでいきます。
カラカラに乾燥してるのでヘタはとても硬く、手が痛くなってしまう作業です。

ヘタを切り取った柿は、丸い機械に入れられてゴトゴトと廻されます。機械で廻され、少し休み、これを3回繰り返します。こうすることで、柿全体が揉まれ、中の渋が早く抜け甘くなるのです。

この段階までくると柿の表面に白い粉が付きはじめます。この粉は一見カビのようにも見えますが、そうではなく、果糖やブドウ糖などの糖分が結晶化したものなのです。
とても綺麗な色に仕上がっています。透明感も出てきて、とってもやわらかそう～

沢山の工程を終わってきた市田柿は、やっとここで色、大きさに分けられて、ちょっと綺麗に形を整えられてて箱詰めされていきます。
これだけ時間と手間のかかった市田柿。
全国のみなさんに是非じっくりと味を楽しんでいただきたいです。

市田柿は完成しましたが、作業はまだまだ終わりません。
収穫後の木は、また来年、たくさんの市田柿が実ってくれるように、太陽の光がよく当たるように、枝と枝の間隔をとるための剪定が1月初旬に行われます。剪定されたあとの切り口に病気や雑菌がはいってしまわないように薬を塗る作業も怠りません。

剪定が終わった柿の木は周りの皮を剥く「そ皮削り」という作業が行われます。皮を剥いてあげることによって、中に入り込んでしまった虫などを駆除することができるのです。ゴリゴリっと削りあげて、皮を剥かれた木は一皮向けてまた一段と育っていき、また来年たくさんの実をつけてくれることでしょう。